7.62×39mm AK-47対応銃弾

 AK-47カラシニコフに使用される 「 7.62x39 ライフル実包(正式名称M43) 」 は、第二次世界大戦中、SKSカービン用の弾薬としてソビエトで開発されたものです。開発に当たって世界の様々な実包の影響を受けたといわれています。

 世界で最も数多く生産されたライフルである 「 AK-47 」 はこの弾を使用する銃器として戦後すぐに開発され、1970年代までソビエトでは最もスタンダードな銃弾であり、現在においても世界中で軍用から猟用にいたるまで幅広く使用されています。

 弾頭は一般的な銃弾の形状である舟形 ( boat-tail ) をしており、弾芯が軟鉄製でその周りに鉛がかぶせられ、さらに銅めっきが施されています。ブレットが軟鉄製のため貫徹力が大きく 「 アーマーピアシング(徹甲弾) 」 と誤解される場合もありますが、一般の鉛弾よりはるかに貫通力が大きいものの徹甲 (AP) 弾ではなく、いわゆるFMJ・MSC ( フルメタルジャケット・マイルドスチールコア)弾です。その目的は、単に高価な鉛の使用を減らすための処置であるといわれています。

 プライマーは共産圏でよく使用されるベルダンプライマーで薬莢は鉄製。テーパーが掛かっているため弾の装填、排莢が簡単に行えます。これはテーパーのおかげで薬室内に完全装填されるまで弾と薬室との接触が少ないためです。AK-47のマガジンが”バナナマガジン”と形容されるほど曲がっているのはこの強いテーパーが理由になります。弾頭形状は改良されたこともあったそうですが、薬莢は開発されてからほとんど手を加えられていません。

 7.62x39弾はセンターファイヤーライフル弾(雷管が薬莢の真ん中にある弾)としては屈指の安さを長年誇ってきたそうです。
ライフル弾の中では最安の部類に入り、2006年初頭に軍用の7.62x39弾の値段が跳ね上がり一発17セントになるまで、アメリカで輸入していたロシア製の高品質な7.62x39弾は長らく1発10セント(約12円)ほどの値段でした。
                                     (参考・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 さて、私もこの情報に触れるまではAK-47用の銃弾の値段なんて見当もつきませんでした。ウィキペディアを根拠にする場合の是非もあるでしょうが、とりあえずアメリカ国内では1発が10セントぐらいで買えていた時代があり、値が上がったにしても20セントぐらいなんだろうなという信憑性は低くないと思います。もう一つ、銃弾の製造単価を落とす為に軟鉄を使用しているというのが事実だとすれば、
「 軟鉄弾は鉛弾より高価であろうから、海賊は安いはずの鉛弾を使用するであろう 」
といった憶測を並べた人が防衛省内にいました。その方々との見解とはまったく反対の情報になります。
ちなみに紛争地帯の現状を知る特殊な経験の持ち主の話によると、砂漠の地方では軟鉄弾は常識のものだそうです。
ジェーン年鑑から、7.62×39mm・弾の製造メーカーの実態をまとめてみましたので、掲載します。

■ 7.62×39mm (AK-47対応銃弾) 各メーカーの製造弾種  PDF/1ページ/100Kb


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