NIJ 0101.06 とは

 NIJ0101.06とは、ボディアーマーの耐弾性能に関して、銃弾の脅威レベルや試験要領等の標準を示した技術図書です。1987年に最初のバージョンが制定され、改定を重ねながら現在に至っています。

 2003年、ペンシルベニア、フォレストヒルズにおいて、 アメリカのセカンドチャンス社がZylon(東洋紡製の繊維)ベースで作製したボディアーマーを着用中の警官が発砲を受け、胸部パネルが貫通し負傷(重症)したという事件が発生しています。一般に「フォレストヒルズ事案」として知られる、防弾ベストの欠陥に関する一連のPL問題だといっていいでしょう。
 この事件を契機に2005年アメリカでは、全ての既存の防弾ベストを再検査するという遠大なる作業が行われました。その再検査時の解説資料にNIJスタンダード0101.01~0101.04までの改定と警察官の死亡数の推移に関するグラフが記載されていましたので引用します。( 「 ザイロン事件 」 関連は別メニューに掲載 )
このあとNIJ0101.04は修正条項を加えた試行期間を経て、2008年NIJ0101.06へ改定されました。


NIJ  ボディアーマー・スタンダード
● 1970年代初期 - 軽量ボディアーマー(ケブラー)の研究開発開始
● 当初、5000件の実地検証-1年のうちに18件の“死亡を免れる実績”
● NIJにより独自の標準及び試験プログラムを開発
● NIJ策定の標準によるボディアーマーの必要性能最小条件で、30年間に2,900の生命が救われた。

警察官死亡案件の推移(1965年~2008年)
● 1964年以降、銃撃による警察官の死亡数が急激に増加していた。
● 1975年、ボディアーマーの支給開始
● 1978年、NIJ Std 0101.01 策定
● 1985年、NIJ Std 0101.02 へ改定
● 1987年、NIJ Std 0101.03 へ改定
● 2000年、NIJ Std 0101.04 へ改定
● 2008年、NIJ Std 0101.06 へ改定




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