ザイロン事件とは

ザイロン事件とは、東洋紡の製品であるザイロンという繊維素材を使用してアメリカのセカンド・チャンス社が生産したボディーアーマーが、繊維の加水分解による強度低下のため所要の耐弾性能を急速に喪失してしまったことに対する、製造者責任(PL)を問われた事件です。
以下の新聞記事に概要が示されています。
最終的には、アメリカ政府が東洋紡を不当利得と詐欺罪で提訴するにいたっています。

毎日新聞 2005年7月3日
防弾チョッキ:米政府が欠陥証拠隠したと東洋紡など提訴

 AP通信によると、米政府は2日までに、警官が着用する防弾チョッキの欠陥の証拠を隠したとして、米防弾チョッキ製造大手のセカンドチャンス・ボディーアーマー社 ( ミシガン州 ) と、素材の特殊繊維を供給する日本の東洋紡を相手取りワシントンの連邦地裁に提訴した。東洋紡は米政府の主張を否定している。
 訴えによると、両社は、防弾チョッキの素材に使われた東洋紡の特殊繊維ザイロンが、光や熱、湿気にさらされると想定より劣化が早まる恐れを知りながら3年近く公表しなかった。2003年にチョッキを着用していた警官2人が撃たれて死傷した後に初めて、セカンド社は製品の販売を中止、安全上の問題を公表したという。  東洋紡の米国スポークスマンは「セカンド社には01年、劣化に関する情報を顧客に公表するよう伝えたが同社は怠った。東洋紡に責任はない」と主張。セカンド社側は「責任は最終的には東洋紡にある」としている。(ワシントン共同)

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